貴史の学校には三十代半ばの美人養護教諭がいた。沙希という名のその保健の先生が大好きな貴史は冬のある日、体調の悪いふりをして保健室を訪れていた。先生の顔を見たい話をしたいというただそれだけの動機だった。その時はまだあんなことになるとは思っていなかった。
「ちょっと体調が良くないというか、なんというか……」
口ごもる貴史を沙希はいつもの笑顔で室内に迎え入れた。服の上からでもわかる肉感的な体からいい匂いが漂ってくる。
授業中のためか保健室は貴史と沙希以外誰もいない。室内は静まり返っている。
「じゃあそこ座って」
そこには事務机と肘掛け付きの椅子があり、そのそばにある円椅子を指さした。貴史がそこに座ると、沙希も椅子に座るとくるりと椅子を回転させ貴史と向かい合った。
白衣の中から覗く白いワイシャツと黒いミニスカートが悩ましげだった。そこから伸びるほっそりした白い脚が貴史を誘っているように少し開いた。と思ったら足を組んでしまった。
「気分が悪いの?」
「え、いや、あの」
貴史は口ごもった。沙希は組んでいた足をほどくと椅子ごと貴史に少し近づいた。スカートの奥から白いパンティが、ちらりと見えた。貴史はそれを見逃さなかった。股間が瞬時に反応し、みるみる勃起してしまった。冬服の学ランによって股間の部分が隠れていたことで沙希には悟られずにすんだ。夏場のワイシャツならズボンのふくらみは即座にばれていただろう。
「どうかした?」
貴史の上気した顔を見て、沙希はけげんな表情をした。
「あ、いえ、冬なのにストッキング履かないで寒くないですか?」
恥ずかしさを隠すように貴史は自分でも分からずに思ったことを口走ってしまった。うつむいて沙希の表情を窺う。
「あら、そんなとこ、見てたの? やっぱり、男の子ね」
沙希は微笑むと貴史の足先から頭まで視線を動かした。そして悩ましげに足を組んだ。
「あ、いや、その、細くて、綺麗で、つい」
貴史はまたまた適当に口走ってしまった。見とれていたのは事実だが。
「うふ。ありがと。別に寒くないわ。学校までの道のりだけだしね。それとも……貴史くんはストッキングが好きなのかしら?」
「いえっ、僕は生の方が好きです」
貴史はつい、反射的に答えてしまって慌ててうつむいた。そんな貴史を見て、沙希はくすりと笑った。
「一応、体温もはかるわね」
沙希は組んだ足をほどくと、上半身だけをねじって後ろを向いた。その拍子に白い脚が少し開き黒いスカートの奥に白いパンティの三角地帯がいやらしくあらわれた。上半身は後ろを向いているため、貴史はじっくりとその三角地帯を見ることができた。
「おかしいわね。体温計、どこいったかしら」
沙希は体をねじったまま色々な物をどかして机の上を捜している。脚はますます開き、股間が全開になってしまった。貴史は驚いて目を見開いてしまった。自分の前で保健の先生の白いパンティが全開になっているのだ。沙希が捜すたびに両足がわずかに、パカパカといやらしく動いている。沙希が見ていないことをいいことに、貴史はたまらず勃起した股間を握ってしまった。そして、貴史は前屈みに体をのり出し、パンティをじっくりと見た。脚を開いていることによって、パンツはピッタリと股間に張り付いていた。やわらかなふくらみが布地ごしに見てとれた。
「ごめん、体温計みつからないわ」
くるりと沙希は上半身を戻した。前屈みになった貴史と目があう。
「どうしたの? トイレ行きたいの?」
沙希は不思議そうに貴史の股間を見た。
「あっ!」
貴史は股間を握り締めていたのを思い出した。慌てて手を放す。
「あ、ちょっと、お腹が痛くて」
苦しい言い訳をとっさについた。股間の少し上を抑える。
「そうなの? じゃ、ちょっとみてあげるわ」
「え」
沙希は真顔で答えた。とっさについた嘘が見事に吉と出た。
「じゃあ、学ランだけ脱いでちょっとそこのベッドに寝て」
沙希は立ちあがると白いカーテンを引いた。病院のようなベッドが現れる。
「あ、はい」
貴史は言われるがまま、沙希の後についていく。
「かけ布団はじゃまね」
沙希は布団を持ち上げると隣りのベッドの上に置いた。
貴史は学ランを脱ぐとベッドの片隅に置いてベッドの上に寝転がった。ベッドの上で所在無さげに仰向けに横たわった姿はまさにまな板の上の鯉である。
「じゃあ、じっとしてていいから」
貴史はどきどきしたまま沙希を見ている。
沙希はワイシャツを引っ張ってペロリとめくった。
「あ」
貴史はそこで気づいた。学ランを脱いだせいで勃起しているのがばれてしまう。しかし遅かった。貴史は顎を引いて自分の股間を盗み見た。
勃起した股間はペニスの形のままいやらしく盛り上がっている。しかし、沙希は気にする風もなく真顔でTシャツをひっぱって腹をあらわにした。貴史の為を思って勃起していることをあえて気づかないふりをしているのかもしれない。
しかし、勃起した股間を見られていると思うと、貴史はますます興奮してギンギンに勃起した。
沙希のひやりとした手が腹の上に置かれる。貴史はぞくりとした。
沙希はそのまま腹の上で手を滑らして軽く押している。
「ここ、痛い?」
「い、いえ」
「じゃあ、ここは?」
「いえ……」
貴史はこの様子だとこのまま終わってしまうと感じた。沙希は純粋に貴史を生徒としか見ていないようだった。体温計を捜したのも腹を見ているのも、保健の先生としての仕事だったのだ。貴史はそう気づくと、逆にいやらしいことをしてもらいたいという欲求が急激に沸きあがってきた。
「じゃあ、問題ないみたいね」
沙希は、腹の上から手を上げようとした。
「あ、あの」
「何?」
「もうちょっと、下……」
「そこが痛いの?」
沙希は手を置いたまま腹の上を少し下に滑らせた。
「ここ?」
「もうちょっと」
沙希は更に少し下に手を滑らせる。
「もうちょっと」
手が臍の上に置かれた。
「ここ?」
「あの、もうちょっと。下腹が……」
これ以上はズボンの中である。
沙希は、少し躊躇するような困ったような表情を見せたが、更に下に手を滑らせた。ズボンの中に手が半分入って止まった。
「あ」
貴史はズボンの中に手を入れられているといういやらしい快感におもわず声が出てしまった。
「ここ?」
貴史はこれ以上はまずいかもと少し躊躇したが、ここまできたらイチかバチかいくことにした。
「あの……もうちょっと」
黙って沙希は更に下に手を滑らせた。
「あ!」
快感が貴史の全身をしびれさせた。勃起した貴史のペニスの頭に沙希の手がぶつかったからだ。
沙希は一瞬驚いたような表情をしたが、なおも冷静に聞いてくる。生徒の言葉を純粋に信じているかのように。
「あの、もうちょっと下」
沙希の手がペニスと下腹に挟まれる状態のまま、更に下に滑り、陰毛の上に置かれた。そして、ペニスの付け根にぶつかって止まった。
「……ここ?」
手の甲がペニスにあたっている。
いやらしい展開を期待した貴史も、真面目に動かす沙希にこれ以上は何も言えなくなってしまった。
「すいません……治りました」
と同時に、沙希の手がすっとズボンから引きぬかれる。その時手の甲でペニスがこすられイキそうになってしまった。もし、敏感な裏筋の方だったら、間違いなくイっていただろう。